アメリカ大学院の授業料や生活費についての情報は存在するが,受験費用についての情報は意外となかったため,簡単にまとめる.注意していただきたいのは,本ページに記載するのは英語弱者の東北大生がアメリカの理系大学院受験に実際にかかった費用である.したがって,受験生の環境及び能力によって費用は変化するため,ご注意いただきたい.
下記条件を仮定した場合の受験費用総額:約7万円
・都内に住んでいてTOEFL受験等の交通費が不要
・TOEFL及びGREの受験は一回ずつのみ(約48000円)
・国内大学院の滑り止め受験はしない
・アメリカの大学院の出願も1校のみ(出願料が約15000円,TOEFL・GRE・成績表の送付料が約7000円)
・アメリカの事前訪問を行わない
“私の”米国大学院受験にかかった費用の総額:約71万円
ただしここには,
・TOEFL及びGRE(受験料,交通費,宿泊費など)
・教材費(TOEFL, GRE, essay, VPNなど)
・アメリカ大学院受験費用(受験料,スコア送付料など)
・アメリカ訪問費用(航空券,宿泊費など)
・滑り止めの国内大学院受験費用(受験料,交通費,宿泊費など)
が含まれている.以下にセクションごとに説明する.便宜的に1ドル=110円として計算した.
TOEFL(約21万円)
・6回の受験料:$230 × 6 = $1380 (15,180円)
・交通費:仙台⇔大阪 44,000円
・宿泊費:大阪で2泊 15000円
※最後の受験チャンスだった10月のTOEFL(仙台開催)が台風により中止になったため,急遽大阪で受験しなければいけなくなった.
GRE(約9万円)
・2回の受験料:$205 × 2 = $410 (45,100円)
・交通費:仙台⇔東京 22000円 × 2 = 44,000円
※GREの開催地は東京と大阪のみ
教材費(約2万7千円)
・TOEFL,GRE,Essayなどの参考書(中古で購入):18,900円
・VPN:月額1000円 × 8ヵ月 = 8,000円
アメリカの大学院受験費用(約10万円)
・TOEFLのスコア送付料:1校あたり$20 × 10校 = $200 (22,000円)
・GREのスコア送付料:1校当たり$27 × 10校 = $270 (29,700円)
・成績表の送付料:1校当たり2,000円 × 5校 = 10,000円
・大学院の出願費用 : UCLA $140, UCSD $125, MIT 75$の合計$340 (37,400円)
※成績表は送付が不必要な大学院もあるので注意する.また交換留学経験者は,交換留学の成績証明書を,交換留学先から出願校へ直接送付してもらう必要があるため注意する.
アメリカの訪問費用(約20万円)
3月の訪問:文部科学省から30万円程度の資金援助をいただいたため,自己負担額は約5万円
12月の訪問:出願直後にアメリカの大学院を訪問予定だったが,訪問前に第一志望のUCLAから合格通知が届いたため,アメリカ訪問を中止.キャンセル料として約15万円かかった.
滑り止めとして国内の大学院受験(8万4千円)
受験料:30,000円
事前訪問の交通費:22,000円
受験当日の交通費:22,000円
受験当日の宿泊費:10,000円
以上を合計すると,約71万円となった.
ただし,大学院学位留学を支援してくださる奨学財団の書類を通過すると,東京や大阪での面接がある.基本的に交通費が支給されるため,奨学金の面接に合わせてGREなどの受験をすれば,交通費などの節約が可能である.
アメリカの大学院は給料ももらいながら学位が取得できるため「お金かからなくてお得!」と思い受験を決心したが,実際に受験してみると,そこそこのお金が必要であった.
しかし,入学後は一切お金がかからない(むしろ余計にもらえる).71万円をPh.D.の5年間で割ると年間14.2万円であり,国立大学より全然安い.そう考えると,とても安い初期投資額だと思う.
とはいえ,バイトのできない学部4年生で71万円は大変だった.幸いなことに私は返済不要の給付型奨学金を120万円いただいていたため,そこから捻出した.
未だ学部2年生以下でアメリカの大学院受験を考えている方がいらっしゃれば,学部での給付型奨学金に申請することをオススメする.私は東北大学在学中はフジシールインターナショナル奨学財団様からご支援いただいた.経済的なご支援のみならず,幅広い人脈形成やキャリア相談などもしていただき,感謝しきれない.
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